これからの企業経営において多大なプラスを与える「ファシリテーション」。これを実現するには、一般的に4つのスキルが必要といわれています。「場のデザインのスキル」「対人関係のスキル」「構造化のスキル」「合意形成のスキル」です。
■場のデザインスキル
何を目的に、誰を集めて、どんなやり方で議論の進捗管理をしていくのか、相乗効果が生まれる場づくりからファシリテーションは始まります。単に人が集まればチームになるのではありません。目的意識の共有から、協働意欲の醸成まで、チームづくりの成否がその後の活動を左右します。大切なのが活動のプロセス設計。問題解決プロセスをはじめ、基本となるパターンをベースに、活動の目的とチームの状態に応じて、ひとつひとつ段取りを組み立てていきます。
■コミュニケーションスキル
プロジェクトがスタートすれば、自由に思いを語り合い、あらゆる仮説を引き出しながら、チーム意識と相互理解を深めていきます。ファシリテーターは、しっかりとメッセージを受け止め、そこにこめられた意味や思いを引っ張り出していき、より高い目的意識やモチベーションをもてるように運営していきます。リラックスした雰囲気を作り対話を活発化させる対人関係系のスキルが必要とされます。
■構造化スキル
議論の全体像を整理して、論点を絞り込んでいきます。図解ツールをできるだけ多く頭に入れておいて、さまざまな意見やアイデアを、わかりやすくビジュアル化する能力が求められます。ロジカルシンキングをはじめとする思考系のスキルです。
■合意形成スキル
コンセンサスに向けて意見をまとめていきます。スムーズに進行できれば合意形成は自然とできますが、参加者個々の立場や利益を分かった上で進めていないと、様々な対立が生まれ簡単には意見がまとまらず、会議が炎上してしまう場合もあります。そんな時は対立解消が求められ、ファシリテーターの力量が問われます。
カウンセリング/コーチング/ティーチング。すべての力をフル稼働
上記4つに加え、ファシリテーションを成り立たせる道のりには、さらに3つのスキルが必要です。それは、「カウンセリング」「コーチング」「ティーチング」です。新規プロジェクトが立ち上がった当初は、参加者のモチベーションや目的意識が低い場合が多々あります。ファシリテーションを行う上の第一歩として、「カウンセリング」によって参加者の目的意識とモチベーションのアップを行います。そして、目的が明確になれば、そのゴールに向かって「コーチング」で参加者の潜在能力をより、自ら進んで高みに向かえるよう高みに導いていきます。
当然、参加者全員が目的達成できるだけの能力をもっているとは限りません。そういう場合は、必要とされるスキルやノウハウを教えてあげる「ティーチング」の力が不可欠です。ティーチングを行うためには、何よりも経験に基づいた豊富な知識を持っていないとできません。
これら「4+3のスキル」を持っているからこそ、会議の進行にとどまらず、様々な企画を実現させ企業経営に貢献できる「アイズ流ファシリテーション」ができると考えています。
(※)参考:特定非営利活動法人 日本ファシリテーション協会