コラム掲載にあたって
株式会社アイズは、大阪・京都を中心に中小企業の事業計画策定支援、補助金申請支援、マーケティング支援、人材育成支援を行っています。
私はこれまで広告業界で企画・制作に携わり、その後独立して大学講師やファシリテーター、コンサルタントとして活動してきました。
近年は認定経営革新等支援機関として、中小企業の事業計画策定や補助金申請支援に関わる機会が増えています。
このコラムでは、補助金や経営の話だけではなく、私自身がこれまで学び、考え、実践してきたことをお伝えしたいと思います。
その第1回として、私自身の原点でもある「何のために働くのか」について書いてみます。
何のために働いていますか?
私は大阪公立大学でキャリアデザインを教えています。
また、認定経営革新等支援機関として、中小企業の事業計画づくりや補助金申請の支援にも関わっています。
一見すると、大学でのキャリア教育と、中小企業の事業計画支援は別の仕事に見えるかもしれません。
しかし、私の中ではつながっています。
どちらにも共通しているのは、「何のために」を考えることです。
学生には、「何のために働くのか」を考えてもらいます。
経営者には、「何のためにその事業を行うのか」「何のために補助金を申請するのか」を考えていただきます。
目標を立てることは大切です。
売上を増やす。
会社を大きくする。
良い会社に就職する。
補助金を活用する。
設備を導入する。
どれも大切なことです。
しかし、それらは目的ではなく、目標や手段であることが多いのです。
私自身も、目的を見失っていました
今でこそ、私は授業や支援の場で「目的が大切です」とお伝えしています。
しかし、私自身が最初からそれを分かっていたわけではありません。
中学生の頃の私は、将来幸せになるためには、良い会社に入る必要があると思っていました。
そのためには良い大学。
そのためには良い高校。
そう考えて受験勉強に取り組み、一浪はしましたが大阪大学経済学部に入ることができました。
ところが、そこで私は大きな目標を達成してしまいました。
その時点で、どこか安心してしまったのだと思います。
大学時代は音楽をすること以外、あまり真剣に取り組んだ記憶がありません。
就職活動も、深く考えて比較検討したわけではありません。
当時は売り手市場だったこともあり、声をかけてもらったリクルートに入社しました。
その後、もともと音楽をやりたいという気持ちがあり、音楽制作会社へ転職しました。
最初は好きな音楽に関われることがうれしかった。
しかし、仕事を続けるうちに、音楽以外の仕事が増え、売上を強く求められるようになっていきました。
もちろん、会社にとって売上は大切です。
利益を出さなければ、会社は続きません。
ただ、当時の私は、「なぜそこまで売上を追わなければならないのか」ということに強い違和感を持っていました。
できるだけ高く売り、できるだけ安く仕入れ、自社の利益を最大化する。
その考え方に、どうしてもなじめませんでした。
そして42歳の時、私はうつ病になりました。
そこで初めて考えたこと
うつ病になったことは、本当に苦しい経験でした。
しかし、その経験があったからこそ、私は初めて立ち止まって考えました。
「私は何のために働くのだろう」
それまでは、目標はありました。
良い大学に入る。
良い会社に入る。
好きな音楽の仕事をする。
売上を上げる。
けれども、その先にある目的を、私は十分に考えていなかったのです。
かなりいろいろ考えました。
その中でたどり着いた答えが、「家族のささやかな幸せのために働く」ということでした。
大きな成功をしたいわけではありません。
有名になりたいわけでもありません。
家族が元気でいること。
普通に食事ができること。
時々笑い合えること。
そんな当たり前の日常を大切にしたい。
そのために働こう。
そう考えるようになりました。
自分が正しいと思うやり方で働く
独立してから、私は自分が正しいと思うやり方で仕事をするようになりました。
お客様に嘘をつかない。
できないことを、できるとは言わない。
自分が働いた分の対価をいただく。
必要以上に高く売ることを目的にしない。
きれいごとのように聞こえるかもしれません。
しかし私にとっては、それが一番自然な働き方でした。
そして不思議なことに、自分が正しいと思うやり方で働くようになってから、仕事がつらいと思うことはほとんどなくなりました。
お客様が喜んでくれる。
自分もうれしい。
その結果として売上をいただく。
この循環が、自分には合っていたのだと思います。
一見バラバラに見える仕事が、実はつながっている
私はこれまで、いろいろな仕事をしてきました。
音楽制作。
マーケティング。
広告や販促の企画制作。
ファシリテーション。
大学でのキャリア教育。
事業計画策定支援。
補助金申請支援。
並べてみると、かなりバラバラに見えるかもしれません。
しかし、私の中ではすべてつながっています。
誰かの「こうしたい」という思いを聞き、整理し、形にする。
それが私の仕事です。
音楽制作では、思いを音にする。
マーケティングでは、思いを企画や販促にする。
ファシリテーションでは、参加者の思いを共有し、方向をそろえる。
大学教育では、学生が自分の将来を考える手助けをする。
事業計画づくりでは、経営者の思いを計画に落とし込む。
補助金申請では、その計画を実現するための一つの手段として整理する。
やっていることは違っても、根本は同じです。
私は、自分で新しい事業を立ち上げて世の中を変えるタイプではありません。
むしろ、誰かが考えたこと、やりたいと思っていることを、実現できる形に整理することが得意です。
私は学生時代から音楽が好きで、今もバンドでベースを弾いています。
バンドの中で、ベーシストは主役ではないかもしれません。
しかし、全体を支え、リズムを整え、曲を前に進める大切な役割です。
仕事でも、私はその立ち位置が自分に合っていると感じています。
いまも問い続けています
42歳の時に見つけた、「家族のささやかな幸せのために働く」という目的は、今も変わっていません。
ただ、61歳になった今、仕事を取り巻く環境は大きく変わっています。
AIの進化によって、文章を書くことや資料を作ることの価値も変わってきました。
正直に言えば、これから自分がどのように価値を提供していくべきか、不安を感じることもあります。
それでも、私が大切にしたいことは変わりません。
「何のために働くのか」
「何のために事業を行うのか」
「何のためにその計画を作るのか」
この問いを大切にすることです。
目的が見えると、目標や手段の意味が変わります。
補助金も、売上も、設備投資も、就職も、独立も、それ自体が目的ではありません。
その先に何を実現したいのか。
そこを考えることが大切だと思っています。
このコラムでは、私がこれまで仕事や人生を通じて感じてきたこと、大事にしてきたことを、少しずつお伝えしていきたいと思います。
読んでくださる方にとって、経営や仕事、人生を考える小さなヒントになれば幸いです。
事業や働き方について、目先の売上だけでなく、長く続けられる形を考えたい方は、お気軽にご相談ください。
株式会社アイズでは、経営者の思いや会社の方向性を大切にしながら、事業計画やマーケティング、実行に向けた整理をお手伝いしています。
初回のご相談は無料です。
事業の方向性や、これからの働き方を考える支援については、株式会社アイズの事業内容ページでもご案内しています。
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