新しいことを始める前に、すでに持っているものを見る
新しい売上を作りたい。新規事業を始めたい。販路を広げたい。経営者であれば、こうしたことを考える場面は多いと思います。
ただ、事業を広げる時にいきなり「何か新しいことをしよう」と考えると、方向を間違えることがあります。新しい市場、新しい商品、新しい顧客。どれも魅力的に見えますが、現実には簡単ではありません。
事業を広げる前に、まず見直すべきなのは自社の強みです。
強みは、社内にあるだけでは強みにならない
自社の強みというと、技術力、設備、経験、人材、顧客基盤、地域での信用などが挙がります。これらは大切な資産です。
しかし、それだけではまだ「強み」とは言い切れません。強みとは、顧客にとって価値があり、競合が簡単に提供できないものです。
自分たちが得意だと思っていることでも、顧客が価値を感じていなければ売上にはつながりません。逆に、社内では当たり前だと思っていることが、顧客から見ると大きな価値になっていることもあります。

図のように、独自資産は「顧客価値」と「競合との差」を通して見直すことで、はじめて強みとして定義しやすくなります。大切なのは、一度決めて終わりではなく、検証しながら磨き込んでいくことです。
3Cで見ると、強みが見えやすくなる
自社の強みを考える時には、3Cで整理すると分かりやすいです。3Cとは、自社、顧客、競合の3つです。
まず自社を見ます。売上、利益、商品、サービス、組織、人材、顧客との関係、これまでの実績などを棚卸しします。次に顧客を見ます。誰が何に困っているのか、どんな価値を求めているのかを考えます。さらに競合を見ます。同じ顧客に選ばれている相手は誰で、何が評価されているのかを見ます。
この3つを照らし合わせると、自社が勝てる場所、無理をしない方がよい場所、磨けば強みになる場所が見えてきます。

3C分析で見るべきなのは、単に3つの円を並べることではありません。自社、顧客、競合が重なる部分に、自社が勝てる場所が見えてきます。
SWOTは、現状を整理する道具
SWOT分析もよく使われるフレームワークです。強み、弱み、機会、脅威を整理します。
ただし、SWOTは表を埋めることが目的ではありません。大切なのは、外部環境の機会や脅威と、自社の強みや弱みを組み合わせて、どこに力を入れるのかを考えることです。
強みを活かして機会を取りに行くのか。脅威に対して選択と集中をするのか。弱みを補って守るのか。場合によっては撤退を考えるのか。現実的な判断につなげることが重要です。

SWOTも同じです。強み・弱み・機会・脅威を別々に見るだけでなく、組み合わせて判断することで、攻めるべきか、守るべきか、選択と集中をすべきかが見えやすくなります。
事業拡大には4つの方向がある
事業を広げる方向を考える時には、アンゾフ・マトリックスが使いやすいです。市場を既存・新規、製品を既存・新規に分けて、4つの方向を見ます。
• 既存市場×既存製品:市場浸透
• 既存市場×新規製品:新製品開発
• 新規市場×既存製品:新市場開拓
• 新規市場×新規製品:多角化

図で見ると分かるように、事業拡大には複数の方向があります。特に多角化は、市場も製品も新しくなるため、魅力がある一方でリスクも高くなります。
どれが正解ということではありません。ただし、右下の多角化は市場も製品も新しいため、一般的にはリスクが高くなります。
中小企業では、いきなり多角化を狙うより、既存顧客に新しい提案をする、既存商品を別の市場に持ち込む、といった形の方が現実的な場合も多いです。
新しいことは、足元の延長にある
事業拡大というと、まったく新しいことを始めるイメージがあります。しかし、実際には、自社がすでに持っているものの延長にチャンスがあることが多いです。
過去の実績、顧客との関係、現場のノウハウ、社員の経験、地域での信用。そうしたものを整理すると、無理のない成長方向が見えてきます。
事業を広げる前に、自社の強みを見直す。これは遠回りのようで、実は最も現実的な成長戦略だと思います。
株式会社アイズでは、商品やサービスの見せ方、顧客への伝え方、事業の方向性を整理しながら、中小企業に合ったマーケティングの形を一緒に考えています。
初回のご相談は無料です。
売れる仕組みづくりや事業の見直しについては、株式会社アイズの事業内容ページでもご案内しています。

